たとえ世界が失っても、たとえ世界を失っても
KAIの「青い空のカミュ」の感想です。
- タイトル:青い空のカミュ
- ブランド:KAI
- 原画:〆鯖コハダ
- シナリオ:〆鯖コハダ
- ジャンル:美少女AVG
- 発売日:2019年3月29日
青い空のカミュ 感想
あらすじ
―――たとえ世界が失っても、たとえ世界を失っても―――
これは二人の少女を繋ぎ止める三日間の物語。
ただ完璧な日の捻じれた不条理。
空は青く果てしなく、透き通るように無意味だったQui a tué fille
そのことだけが知りたくて。
公式サイトより引用
青い空のカミュ OPmovie
ネタバレ無し感想
※あらすじや体験版などで公開されている範囲はネタバレでないという認識です※
何かもう、本当に世界観が綺麗。
なんだけど、ホラー要素あり。
苦手な人はびっくりするかも。
凌辱要素もあるので、
異形系が好きじゃない人はちょっと注意が必要かも。
テーマは一貫しており、本当に不条理な世界。
公式のコラム読めば、深いところまで追求していけるかも。
私は流し読みだったけど楽しめた。
蛍の家に伝わる話があることから、伝奇ものでもある。
ホラー要素ありの伝奇もの、
さらに雰囲気ゲーが好きならばっちりハマると思う。
割りとシビアな世界観なんだけど、
その中で展開されるダブルヒロインズによる日常会話は中々に良い感じ。
それぞれきちんと掘り下げられるので、中途半端な感じでもない。
尺は一晩で読めちゃうくらいの尺だけど、
濃縮されたシナリオが展開されるので満足度は高い。
哲学的な部分も特徴になっている作品ではあるけど、
シナリオをありのまま受け入れていれば、それだけでも楽しめる、
個性のある、すごく良い作品だと思う。
CGについて
キャラデザは好き嫌いがあるかもしれないけど、
そういう造形以外の部分でも、
特に背景はクオリティが高い。
BGMについて
ノイズ要素が本当にいい仕事してるし、
統一されたMix感も凄く良い。
何より、シナリオに没入していける空気感をしっかり演出している。
システムについて
バックログジャンプが無いのだけど、
こういう作風ならば無くても良いのかな?とは思える。
- 尺が短くても、絆が深まる作品が好き。
- 伝奇ものの作品が好き。
- 何か謎が隠されてそうなシナリオが好き。
以下、軽微なネタバレあり。
ネタバレあり感想
不条理な世界を百合百合しい二人の少女、
お互い助け合って何とかしようとしている様は
中々面白いというか、興味深い。
良いポイントとして、
置かれている状況は特殊過ぎるのに、
のほほんとした日常会話もあるとことか。
ふたりの境遇をきちんと掘り下げる描写もあったりだとか。
作品の世界観も相まって不思議な感覚になる。
まぁ迫りくる不条理から逃げつつ、
オオモト様の儀式を調べていく感じ。
いやほんと、後半に行くにつれて、
燐と蛍の関係性が尊いんだよなぁ。
ただの百合と言うよりは、何だか尊さに溢れてる気がした。
ある意味、この作品は不条理な世界を旅する
百合一歩手前の仲睦まじい少女たちの旅を眺める作品なのかも。
物語中で、
燐も蛍も自身の何かに気付くような描写が多いのもポイント。
彼女らの過去に何があったのか、何に気付いたのか。
読み進めながら、そのあたりを考えながら進むのも楽しい。
全体的には作品を通して不条理な世界観を打ち出して、
それでも普遍的な世の中へのメッセージを
発した作品だったのではなかろうか。
不条理な世界を通し、最終的に燐が発した
「辛くて悲しいことも折り合いをつけるの」
という言葉が全てなんじゃなかろうか。
燐が傷つき、いなくなってしまったことも含めて。
つまりダブルヒロインに見せかけて、
ヒロインは蛍だったのではなかろうかと。
発する者が燐、受け入れる者が蛍で。
プレイ後に色々な考察を見たけど、そう思った。
これは少数派とは思うけどね。
青い空のカミュ 感想 総評
シナリオ、雰囲気、演出面などで高いクオリティの作品。
少し尺が短いのが欠点ではあるが、この手の作品は個人的にはこのくらいの尺が良いとも思う。
グラフィックが綺麗で、ちょっと哲学的でもある作品をお求めの方にはオススメ!
以上、青い空のカミュの感想でした!
挿入画像 FANZA GAMES より引用
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