クロスコンチェルト 感想 レビュー

クロスコンチェルト★★★☆☆
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未来へと続くこの道が、やがてあなたと交差クロスする。

あっぷりけ10周年の集大成、「クロスコンチェルト」の感想、ご紹介です。

  • タイトル:クロスコンチェルト
  • ブランド:あっぷりけ
  • 原画:オダワラハコネ
  • シナリオ:桐月
  • ジャンル:心を繋げる学園純愛ADV
  • 発売日:2019年10月25日

萌えゲーアワード2019 イノベーション賞 受賞作品】でもあります。
ちなみに過去作のコンチェルトノートですが、
やってなくても問題ないよ!と公式が言うので、やってません。
さて、どうでしょうか。

クロスコンチェルト 感想

あらすじ

春――新しい始まりの季節。
八重垣悟は閉鎖的な故郷の田舎を離れ、
亡き母が過ごした学園へ入学を果たした。
新天地での生活に心躍らせる悟だが、
出迎えたのは故郷に残してきたはずの双子の妹、
瑠璃とそのお付きで幼馴染の鏡花だった。

せっかくの新天地に代り映えのしない顔ぶれに落胆しながらも、
悟は新しい生活を始めていく。
そこは見る物が新鮮で驚きと出会いに包まれていた。

姫様と呼ばれる実の妹――瑠璃。
幼い頃から共に過ごしたメイド――鏡花。
クールな先輩――透子
オカルト好きな生徒会長――未来

彼女達との出会いと交流。それから不慣れな寮生活。
しかし、楽しい生活の中にも徐々に暗い影が落ちていく。
悟は瑠璃と共に立ち向かい、
やがてこの街に隠された真実に辿り着くのだった。

公式サイトより引用

『クロスコンチェルト』OPムービー“新しい絆”ver

ネタバレ無し感想

※あらすじや体験版などで公開されている範囲はネタバレでないという認識です※

フルプライスな伝奇物ってことで、全部合わせるとまぁまぁなボリューム。
瑠璃のデザインが気に入って、
少し普通じゃない話をお求めならアリなんじゃないかなぁと思う。
ただ、良くも悪くも瑠璃ゲーなので、瑠璃が無理なら無理。

シナリオ的には大雑把に言ってしまえば
特殊能力 VS 怪異みたいなイメージで、
そこを中心としてヒロインズの物語が紡がれる。
人間っぽい部分と普通の人間じゃない部分のバランスは良いので、
単に能力を使って敵をぶっ倒す!的な話ではない。

世界観やそこに纏わる伝奇的な設定などはちゃんとしてる。

伝奇関係ない部分での日常会話は、まぁまぁ面白い。
結局は伝奇が主軸にはなるけど、
地元を出た主人公・瑠璃・鏡花の3人の
関係性の変化なんかも描いてて良い。

そんな中、過去作のメインヒロインである莉都が出て来る。
私は過去作やってないので「ふーん」くらいにしか思わなかったけど、
過去作やった人にとっては嬉しい要素なのかもね。
莉都については触れたい部分があるので、ネタバレあり項目で。

CGについて

クオリティ自体は悪くないと思う。
ただ、1枚絵は物によって
構図に気持ち悪さを感じる物もある。
気になる人は気になるかも。

BGMについて

とても良い。
妙な主張は無いのに、何か聴いてしまう。
様々な楽曲については満点ですが、
演出センスが微妙なので総合評価としては満点ではない。

システムについて

プレイ中、不便に感じることは無かった。
フローチャートも使いやすい。

  • 伝奇ものの作品が好き。
  • 音楽の良いゲームを探している。
  • 妹と言われたら反応してしまう。

以下、ネタバレあり。

ネタバレあり感想

プロローグ

全体を通して
プロローグ→ストーリー→ラピスラズリという3部構成。

で、このプロローグ、謎が謎を呼んで、
最後には故郷に戻った瑠璃が死ぬという、そういうエンド。
瑠璃殺す必要あった?って思う。

実際、新天地を離れて地元に戻りさえすれば、
死ぬ要素は無いはずで。物語上では何の言及も無い。

だとすれば、
それはインパクトだけを重視した、演出の死なんだよね。
全て終わった後にこの死を考えると、考察より先に残念感が漂う。

まぁ多分だけど、
このプロローグの部分は瑠璃が未来視の力で見た、
数ある可能性の内のいくつかの未来って解釈で片付けて良いと思う。
というか、瑠璃ルート含め、全部そうなっちゃうのかなって。
だって、そういう設定なんですもの。

とか思ってたら、
途中までマジでそういう事でした。w

以下個別。

西ノ宮 透子(CV:白月かなめ)

西ノ宮 透子(CV:白月かなめ)

人の気持ちの方向性、人の関心事、
考えている事なんかが分かる能力持ち。
心までは読めないらしい。

西条家の書庫に本作のヒロイン、サブヒロインズの名前、
そして起こる未来の出来事が記述された本が見つかる。
このフラグは回収されたので良かった。
本編ではなく、Fragmentで、だけども。

人の表裏、意識を向けている対象が分かる分、
表裏がなく誠実な?主人公に好意を持ったという、
作中でようやく至極まっとうな恋愛の形。
(プロローグの3人は、どれも理由が弱かった。)

ある意味では能力が絡んでる分、
まっとうではないのかもしれないけど、
作中の設定を恋愛要素に取り入れたのは良い。
その告白のシーンの一枚絵…とても尊いのですよ。

しかし、結末があっさりし過ぎな気がした。
何か気付いたら透子さんが儀式で舞をしてて、
荒御魂を鎮めてハッピーエンド。
まぁ、言ってしまえば瑠璃ルートの為の
かませだから仕方ないのかな。
キャラとしてはとても良かった。

稲田 鏡花(CV:成瀬未亜)

稲田 鏡花(CV:成瀬未亜)

生贄問題など、起こる事(謎)の前提は大体同じ。

鏡花は恋愛として強い要素があるわけじゃないけど、
ごくごく自然にそういう事になる感じがした。
幼馴染の難しさとか、有り体に言えば世間一般の見方だけど、
そういう部分の描写は無い。

こちらは結ばれた後に怪異に立ち向かうか、
逃げ出すかの選択。
逃げ出す場合も、良い感じの会話はあるので◎。

主人公の能力や謎に一歩踏み込んだとこまではいくものの、
やっぱり謎の本質については不明のまま。

この子パジャマが着物なんだけど、
浴衣ってことにしてFragment
お祭りイベントでもあれば良かったのに。

初芝 未来(CV:奏雨)

初芝 未来(CV:奏雨)

この子のゆったりした話し方、最初はイラっとしたけど、
何故か慣れると可愛く思えてくる不思議w

物語が進むにつれて、
瑠璃の未来視の力って辛いんだろうなーって気持ちになる。
良くも悪くも、視たはずの未来が変わるんだからね。

ところでこの先輩、包容力高すぎて笑った。
主人公が荒御魂の影響で狂って
無理やり押し倒したのに、「いいよ」って…

「……ああ……。この人は、こういう人なんだ……。」
じゃねぇよw

実際良い先輩なんだけど、謎には踏み込まずに終わる。
せっかく唯一のオカ研部員って設定あるんだし、
もうちょっとオカ研での日常描写が欲しかった。

八重垣 瑠璃(CV:くすはらゆい)

八重垣 瑠璃(CV:くすはらゆい)

平常時と甘えモードのギャップが凄い。
声パワー凄い。

実妹ルートだけど、
恋愛的な理解を示す透子さん好き。

未来視はこの物語ではなくてはならない物なんだけど、
割りと設定ガバガバなんですよねぇ…悲しいかな。

瑠璃自身が未来は些細なことで変わる、
他のキャラとくっ付いた未来もあったんですよ的なことを言うけど、
このくだりはちょっとメタっぽく聞こえてしまって好きじゃない。

このルートの終わり、エンドロールで画面割れの演出が…
ここまでの物語もオリジナル瑠璃の未来視であり、
自らの死で未来視が終わったということらしい。
恐らくここがシナリオをひっくり返す最大の山場でもあったと思うんだけど、
ここまでの展開で先にこういう展開が来ると
気付いた人も多かったのではなかろうか。

世界観的には荒御魂や儀式、
巫女とか生贄とか色々と考えられてるんだけど、
結局は望む未来だけを手に入れたい
瑠璃の壮大なワガママって印象になってしまった。

その他、ボーカル楽曲の使い方のセンスが行方不明。
瑠璃ルートの最終部分で2曲使ってるんですけど。
ボーカル曲の総数は3曲なんですよ。
つまり、1stOP~3rdOP、演出は変われど同じ楽曲使って。
EDまで同じ楽曲。エェ…?
演出おかしいんじゃないかなぁって。
こういう構成にした以上、最後のEDは違う曲にしようよ、と。
そこは結構な不満点。

通常のBGMについてと、
ボーカル楽曲そのものには高い評価をしてるが、
使い方はまた別問題。

全て終わった後にタイトル戻ると
タイトル変わってるお馴染みの演出。
これは好き。

Fragment

クリアまで全部残してたんだけど、
ここだけでも結構な文章量になるね。
共通ルートでしてそうな談話から、
各ルートのアフター、本編後の談話まで。
良いコンテンツだなと。

反面、どうにかして本編に組み込んでくれた方が読了感は良かったかも。
Fragmentって形でメインとは別コンテンツになってるけど、
ここを読み切って初めて完結する気がするし、
3rdOP以降の莉都視点の物語も入っているので。

で、その莉都なのだけど…
ちょっと重役過ぎないか?って思った。
本作のヒロインほとんど食っちゃってるぐらいの良いとこ取り。
私が過去作やってないからそう思うのかもしれないけど。

最後に。
ビジュアルについては透子先輩が一番好きでした!!
そしてコンチェルトノート読みたくなった。

クロスコンチェルト 感想 総評

プレイ時間:約25時間 / オススメ度:★★★☆☆

各ルートで結構な温度差があったり、
それ本当に必要?と思う要素もあるのだけど、
シナリオ自体は一定の面白さは持っていたと思う。
良い音楽の存在が大きかったかもしれない。

良くも悪くも瑠璃ゲーになってしまうけど、
瑠璃自体破壊力抜群のキャラなので、瑠璃を気に入ったならオススメできる。
さらに伝奇もの好きなら是非お試しください。

以上、クロスコンチェルトの感想でした!

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挿入画像 FANZA GAMES より引用

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