はるまで、くるる。 感想 レビュー【萌えゲーアワード2012 シナリオ賞 銀賞受賞作品】

はるまで、くるる。 ★★★★☆
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それは春の日のような、甘くて果ての見えない、悪夢と終末のハーレム。

すみっこソフト「はるまで、くるる。」の感想、ご紹介です。

  • タイトル:はるまで、くるる。
  • ブランド:すみっこソフト
  • 原画:師走ほりお / 笹井さじ
  • SDキャラ:広瀬まどか
  • シナリオ:渡辺僚一
  • 発売日:2012年4月27日

萌えゲーアワード2012 シナリオ賞 銀賞受賞作品。

はるまで、くるる。 感想

あらすじ

とある事情。

とはいっても、それがどういう事情によるものなのかは、俺にも説明不可能なんだけど……。
とにかく俺は4人の女の子達と人里離れた場所で長い春休みを過ごすことになってしまった。
どれだけ人里離れているかというと、まずコンビニなんかは当然ない。
携帯だってないし、やけに性能のいいノートパソコンは山のようにあるけど、ネット環境はない。
そこにあるのは、温泉宿みたいな大きな寮舎と、廃校寸前っぽい校舎。
休み中の田んぼと、実った冬野菜が並ぶ畑。
遠くに見えるのは雪を頂いた青い山脈と、綺麗に澄んだ海。
……そして、空の果てまで続く、見たことのないほど高い、用途不明の煙突。

ファンタジックな出来事も、SFちっくな出来事も、ミステリーみたいな出来事もなく、
それなりにいろいろありながらも俺は4人の女の子と平穏な毎日を
過ごしていたつもりだったが、それは大きな間違いだった。
女の子の1人。無茶なことをしがちな静夏が、唐突に言ったのだ。

「ここをこの男のハーレムにするわ!」

ハーレムって言ったら、あの……その……。ええええっ?!
いったいハーレムが何を意味するのか、俺は服を脱ぎ始めた静夏に教えられることになって……。

公式サイトより引用

『はるまで、くるる。』 OpeningMovie (Modified version)

ネタバレ無し感想

※あらすじや体験版などで公開されている範囲はネタバレでないという認識です

どうネタバレしないで感想・レビューをしたら良いものか悩む作品。

とりあえず色んなところで記事は見かけるけど、
本当にOP前後の落差が激しい。

前半のただのハーレムパートは
体験版範囲なのでネタバレではないとして、
この範囲中でも割りと不穏な空気はあるんだよね。

登場人物が主人公と4人のヒロインだけで、
何の説明も無く淡々と進んでいく。
それ自体は良いんだけど、何処にもいないんですよ、
有り体に言えば「友人A」とか「学校の先生」とか、
いわゆるモブキャラが。

そんな中OPを迎え、
プロローグは終わったとばかりに世界観がガラっと変わる。
同じ世界、同じ登場人物なのに、
作品の雰囲気がガラッと変わって、急にシナリオゲーになる。

OP時点で「俺たちは3か月を生き続ける」と書いてあるので、
ループものであることは予想できると思うんだけど、
では、何故?どのようにして?何の為に?という疑問が出るわけで。

シナリオの印象については「読ませてくれる」シナリオだった。
何を書いてもネタバレになってしまうから正直何も書けないんだけど、
ヒロインは4人ともかなり癖がある設定になっていた。

プロローグのハーレムパートは
必要ないという意見も見かけたけど、
あれは最後に活きる、
物語上必要だったものだと解釈した。

落差がある物語というか、
きちんとした設定があった上で
物語が急転直下するような展開が好きな方には合うかな。
設定もそうなんだけど結構ぶっ飛んでるよ、
テキストの表現も。

CGについて

キャラデザは好き嫌いありそうだけど、
背景共々クオリティ自体は良い感じ。

BGMについて

特に耳に残るBGMは無かったけど、
OP曲は至高。

システムについて

やっぱり少し古いの少し不便な点も。

  • 急転直下の展開が好き。
  • 舞台設定がきちっとしたSF作品が好き。
  • 主人公に特徴があるゲームが好き。

みんなの声

良い意見:「はるまで、くるる。」は、独特な世界観とSF的要素が高く評価されている。特に後半のシナリオは緊張感があり、意外な展開に引き込まれるとの声が多い。キャラクターの掛け合いも楽しめる要素であり、終盤に向かっての盛り上がりが素晴らしいと感じるユーザーが多い。また、シナリオのまとまりと終盤の展開が評価されており、全体として完成度の高い作品との意見が見られる。

悪い意見:一方で、序盤が非常に冗長で、進行が遅いため、途中で離脱するプレイヤーも多い。特に序盤のエロシーンやコメディパートがシリアスな本筋と噛み合わないと感じるユーザーが多く、作品全体のバランスが悪いとの批判がある。テンポの悪さが物語の進行を妨げており、序盤での苦痛を乗り越えないと面白さが感じられないとの指摘が多い。

以下、ネタバレあり。

ネタバレあり感想

共通ハーレムルートで一切モブが居ないとか、
主人公が過去を思い返すけど、
その過去の具体的な描写が一切無かったり、
読み手に疑問を与える演出がチラホラあって不気味だった。

仁燈 春海 CV:芹園みや

仁燈 春海 ( CV:芹園みや)

超巨乳。植物に詳しく、
山菜取りなんかが得意な女の子。
実体はかなりの危険人物。

このルートで提示される、
この世界の謎を解こうとする最初の仮説だけでも
「ふーん、なるほどねぇ」なんて思ってしまう。

その仮説と、キャラの狂気性を
きちんと紐づけているのがこのルートの特徴だったと思う。
死に敏感な女の子が、自分の感情に気付くまでのお話。

未木 秋桜 CV:かわしまりの

未木 秋桜(CV:かわしまりの)

巨乳。釣り好きの一番当たり障りの無さそうで若干アホな子。
ヒロイン4人の中では割りとまともな人間なのかな。

ただ、このシナリオはルートヒロインの異常性で話を演出するのではなく、
ヒロインの性質と関係なく異常な事件が起きるのがポイントだったかと。

その事件の謎を追う過程で、春海の異常性も再び描かれる。
世界の秘密に作中人物が気付く大事なルート。

士蓮 冬音 CV:青葉りんご

士蓮 冬音( CV:青葉りんご)

貧乳。
シリアスブレイカーでちょっと何言ってるかよく分からないことが多々ある。
このルートで割りと多くの世界の謎が明かされる。

特に終盤は読み手が主人公に感情移入して読むと、結構きつい話になる。
その後、静夏ルートへの橋渡しの部分では色々とおかしなことになってる、
ちょっと狂気染みてるルートだったかなと。

和葉 静夏 CV:竹岡美柳

和葉 静夏(CV:竹岡美柳)

普乳。言動がエキセントリックでアホ可愛い枠。
このルートは静夏の主人公への献身
これに尽きると思うんだなぁ。

不快な表現や異常性のある部分もなく、
素直に謎が明かされていく。
ただ若干、グランドエンドへ至る繋ぎのお話って
気もしてしまうのが残念な点。

グランドルート

何を書いてもネタバレになってしまうし、
他のブロガーさん方が書いているので、
結末はここでは省きます。

一番大切なことは
主人公とヒロインズだけでどうやって
再び人類繁栄させるんだよって部分ではなく、
物語最初期から表情を失ってた主人公が
笑顔を取り戻したって部分ではないかな、と。

私はそこに一番心打たれた作品だった。

はるまで、くるる。 感想 総評

プレイ時間:約15時間 / オススメ度:★★★★☆

良い意味での体験版詐欺作品。
最初のハーレムルートを我慢してクリア出来れば、
そこからは予測不能の壮大な設定のシナリオゲーになる。

ちょっと古い作品ではあるけど、シナリオの展開については一級品。
1本道でも驚くような展開がある、
舞台設定や話の整合性にきちんと納得できる
シナリオゲーをお探しの方にオススメできる一作。

以上、はるまで、くるる。の感想でした!

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挿入画像 FANZA GAMES より引用

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