


あかべぇそふとすりぃの「はるとゆき、」の感想です。
製品概要
タイトル:はるとゆき、
ブランド:あかべぇそふとすりぃ
原画:スコッティ
シナリオ:中島大河
ジャンル:コスプレ温泉旅館ADV
発売日:2018年7月27日
こういう作品、本当勿体ないと思うんですよね…
作品紹介詐欺と言うか、公式を見た感じ、
こういう内容のは予想できないじゃんばかぁ!って作品です。
萌えゲーアワード2018 シナリオ賞 受賞作品。
さて、どうでしょうか。
はるとゆき、 感想
あらすじ
「この温泉旅館の仲居さんは、どうしてナース服とかチャイナドレスを着てるんですか?」
「当館がそのようなシステムだからでございます」
山の奥深く――とは呼べないまでも、
街からはそれなりに外れた場所。
そこで、小さな旅館『ゆき』は営業しています。この旅館には、ちょっと変わったシステムがあります。
【お客様・従業員ともに、敷地内ではどんな格好をしてもOK】というものです。
ひらたく言えば、コスプレOKというシステムです。
衣装は持参でも問題ないですが、貸出もしています。
お客様が何を着てもいいですし、従業員にリクエストもできます。
ただしお触りはNG。浴室以外で全裸になったら怒られます。当たり前です。そんな一風変わった温泉旅館に、どうぞいらしてみませんか?
あ、コスプレ以外にも変わったところはありますが気にしないでください。
もう死んでいる人が泊まりに来るとか、その死んだ人は旅館の中では実体化して触れるようになるとか、
生きてる人と見分けがつかなくなるとか、そんな本当に些細な点です。
今の季節に合わない服装や、軍服や制服や着物なんかで亡くなった方が、
いらっしゃったときに悪目立ちをしてしまわないように、
【どんな格好でもOK】って言ってるんですから、本当にお気になさらずでお願いします。どんなお客様でも、当館は歓迎いたします!
公式サイトより引用
『はるとゆき、』OPデモムービー
ネタバレ無し感想
※あらすじや体験版などで公開されている範囲はネタバレでないという認識です※
舞台は旅館。
普通と違うのは、お客が「死んでいる人間」も訪れる部分。
舞台となる旅館「ゆき」の中では、
死人も現在を生きている人間も関係ない。
旅館用語的なのから、
何でもない単語までTIPSがあるので安心。
画面に直接説明が出るのではなく、
気になったら単語をクリックすれば良いシステム。
旅館の仲居とか仲居頭とか言われても、
何となく分かっても正確な意味は分からないこともあると思うので、
この配慮は◎。
キャラの表情はころころ変わって楽しい。
最近のエロゲでは割りと実装多いけど、
立ち絵が瞬きするのって良いよね。
また、仲居の服装もナースやらメイドやらのコスプレになることも。
これはどんな死人が来ても、それは季節・時代により
服装がまちまちなので悪目立ちしないようにする…
というのは建前で、
プレイヤーにはおいしいところしかない素晴らしいシステム。
シナリオについては全体的に心が温かくなる、
そんな印象を受けるシナリオ。
どのヒロインも捨て要素が無く、サブキャラ含め、
しっかりシナリオに関わっているのが好印象。
ネコと傘については泣きに特化している印象もあるので、
そういうシナリオを求める方にはオススメです。
CGについて。
好みが分かれそうな感じではあるけど、
個人的には好きな感じだった。
背景含め、良いクオリティ。
BGMについて。
耳に残る旋律がある、
ちょっと和を感じる良BGMが数曲。
和風な雰囲気ともマッチしていて
とても耳が心地よい。
システムについて。
バックログジャンプが無いのが悲しい。
セーブ画面も横一列なので、
少し使いづらいかも。
こんな方におすすめ
- ある程度の長尺シナリオで、儚さもある作品が好き。
- いいオネェがいるゲームは良作だと思ってる。
- 何か良い泣きゲーない?と思ってる方。
以下、軽微なネタバレ有り。
ネタバレ有り感想
身内側、この場合は旅館の従業員側と言う意味だけど、
その中にも死人が存在している。
ヒロインにも既に亡くなっている設定のヒロインが居るので、
生者と死者とのシナリオの語り分けが興味深い部分。
読んでいる側としては、
主人公が死人と確定した瞬間に
主人公にも叶えたい未練があることは想像できるわけで。
この辺りからぐっと面白くなる。
面白くなると言ってもいいけど、
正確には物語に惹かれる。
普通のエロゲならルートに入ればイチャイチャして、
何だかんだ試練的な事象を乗り越えて
ハッピーエンドになるんだろうけど、
今作は既に主人公が死んでしまっているので、
ルートに入っても先が読めないのが良かった。
死者×生者、死者×死者、どちらもだけど、
関係性にどのような決着を付けるんだろうと…
そういう部分が気になって気になって。
こういうシナリオだと安易な奇跡などが起こりそうだけど、
そこは読んで頂くとして。
シナリオ全体的に、温かい雰囲気に満ちている。
この作品は涙腺を刺激する表現、流れが多かった。
特に、元々死人であるネコのルートと、
傘が生者であるが故の葛藤に苛まれる
傘のルートは話の流れ的に終わりに近づくにつれ、
久々にぼろぼろと涙を流してしまった。
だからと言って、
小羽と咲奈が微妙だったのかと言うと、そうではなく。
小羽は師であるまこととの関係性、
咲奈は生前の主人公との関係性を描く、
この物語には必要不可欠な物語だった。
はるとゆき、 感想 総評
プレイ時間:約23時間 | オススメ度:★★★★★ |
この記事を書いている今現在が冬だという事もあるけど、
寒い季節にプレイして欲しい作品。
そして、プレイし終えたなら、
作品タイトル「はるとゆき、」に込められた想いを感じ取ることができるでしょう。
旅館「ゆき」を舞台にした儚くも、
しかし、はっきりとした力強さを持つ4つの物語。
泣きゲーを探している方にもオススメ!
以上、はるとゆき、の感想でした!
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挿入画像 FANZA GAMES / 公式サイト より引用