
失いたくないモノ、失ってはじめてわかるコト――。
Navelの「君と目覚める幾つかの方法」の感想、ご紹介です。
- タイトル:君と目覚める幾つかの方法
- ブランド:Navel
- 原画:西又葵 / 鈴平ひろ
- サブ原画:羽純りお / ごろう
- シナリオ:かずきふみ
- 発売日:2018年5月25日
君と目覚める幾つかの方法 感想
あらすじ
舞台は近未来の日本。
オートマタと呼ばれるアンドロイドが普及しており、
友人として、恋人として、あるいは労働力として、人々に親しまれ社会に溶け込んでいる。主人公『伊奈宗介』はオートマタ整備士で、
祖父から受け継いだ店『伊奈モータース』の店長として平穏な毎日を送っていた。ある日、店先に一人のオートマタの少女が倒れていた。
廃棄処分費を惜しんだオーナーにより不法投棄されたものと判断し回収しようとしたが、
宗介は少女がオートマタに偽装された人間であると気がつく。
少女は両足を失っており、義足ではなくオートマタのパーツを取り付けられるという
不可解極まりない状況で倒れていたのだ。謎の少女「枚方初音」を保護した宗介は、
人の四肢を切断し売りさばく『人体売買』という闇の深い大事件に巻きこまれていくことになる。幼馴染みであり警察官の『八雲舞花』、
同じく幼馴染みで義肢装具士でもある『京橋みこと』、
宗介を支えるオートマタ『アイル』と『マキノ』、
宗介の先輩で兄貴分、そしてオネェの『三鷹弥彦』、
舞花の妹で伊奈モータースでバイトしている『八雲由里花』。仲間たちと共に事件を追う中、
公式サイトより引用
初音の命を狙うオートマタも現れ、事態は混迷を極めていく。
『君と目覚める幾つかの方法』オープニングムービー
ネタバレ無し感想
※あらすじや体験版などで公開されている範囲はネタバレでないという認識です※
まず、あらすじや題材から予測は出来るんだけど、
作品内には割りとシリアスな雰囲気が漂っている。
もちろん関係あるキャラ同士の掛け合い、
面白い明るい日常会話もたくさんあるし、
それもこの作品の良い部分でもあるんだけども。
共通ルートがね、すごく面白いんですよ。
サブキャラ達もそれぞれの個性を発揮するし。
きちんと共通が作品の根幹になっているので、
世界観に入っていける。
この作品では初音が悲壮感漂うメインヒロインであり、
シナリオを構築する上での最重要キャラ。

この子です。ほら大丈夫だね、可愛いね?
でもすっごい悲壮感漂う子なんです。
この子を好きになれるかが結構大事。
シナリオ重視でちょっとしたサスペンス物で
ヒェッ!!ってなりそうな表現があるけど、
そこまでグロかったりはしないので、
そういう方向性の話が好物なら面白いと思う。
CGについて
キャラデザは好き嫌いありそうだけど、個人的にはOK。
たまに1枚絵で構図が怪しいものもあるけど…
BGMについて
特に耳に残るわけじゃないけど、
各場に合ったBGM、チープな感じは受けない。
初音のテーマ的なBGMは
そういう中でも印象があって好き。
システムについて
バックログジャンプもあるし、
UIも使いやすいし、十分かな。
- オートマタものやSFものが好き。
- ある程度の長尺シナリオで、儚さもある作品が好き。
- キャラの掛け合いが面白い作品が好き。
以下、ネタバレあり。
ネタバレあり感想
初音初登場から、
おかゆを食べるまでの初音関連のシーンは
泣きそうになった(感動とかじゃなくショックで。
というか、それ以降も悲壮感凄い。
でもその分、OP来て、おおおおー!って先に期待できる作品は好き。
以下、個別。
八雲 舞花(CV:瀬在角蒼)

幼馴染設定が活きた、良い恋愛ですなぁ…
付き合い出した途端、声色もちょっと変えてるのかな?
妙に可愛く感じる。
で、事件はというと、初音の事件ほどの陰鬱さはなく。
内容的にはこれからの生き方、
人間とオートマタの在り方について考えさせられる、
作中人物が考えていることが
ちゃんと読み手に伝わる内容になっている。
共通との雰囲気の対比がいいね。
幸せになって欲しいと思える、気持ちのいいルートだった。
…んだけど、エンドロール後の一枚絵のあとで不吉な兆候。怖い。
ザザっとノイズが乗る表現。
こういうのって、良くも悪くも効果的かなって思うけど…
このルートでは何も終わってない、次があるって示唆で。
でも反面、じゃあこのルートは何だったの?って。
一長一短の演出かなと。
ちなみに妹の八雲 由里花(CV:沢澤砂羽)が、
相変わらずのすっごい良いさわさわキャラだった。
京橋 みこと(CV:桜川未央)

この子も幼馴染。
あかさかくんとみことの関係性も描かれる。
というか、アフターも含めて、
あかさかくんとみこと、主人公とみこと、
その関係性がメインであって、
それ以上でも以下でもない感じ。
アフター前はすっごい俺たたエンドなんだけど、
これはこれでひとつの物語かなー。
掴み処のないお姉さんキャラで、
実は裏で暗躍してたって設定は良かった。
ここでもエンドールの後の一枚絵でザザっとノイズな演出。怖い。
枚方 初音(CV:夏和小)

紛れもないメインヒロイン。
共通で一通りの悲劇は終了するので、安心だね!
共通での悲壮感はびっくするほど消えて、
初音の恋を応援しよう!的な明るい話に。
でも知ってる、
前二人の最後でザザっとノイズな演出があったの覚えてる。
主人公の為に一途に頑張る初音が可愛すぎる。尊い…
心の動き、悩み、考え…細かく描かれている。
マキノ、アイル、由里花、初音の恋愛会議は面白いね。
エンドロール後の、マキノアイル初音の可愛い1枚絵。
その後、ニース・ヴィルの
「始めましょう、復讐を」で、各アフター開始。
一応3人分で3ルートあるのだけど、ほぼほぼ共通。
途中、ないし最後で各ヒロインに
フォーカスしたイベントがあるだけ。
各ルートが内容を補完し合ってる感じ。
最後、立場が逆転して
初音が主人公の車いすを押すのもいいシナリオだね。
最終章で全て謎が解けるのも王道ながら良い。
全体的に、腐るキャラがいないのは凄く良かった。
まさかラスボスがあの人になるとはねぇ…って感じもあり。
ボーカル曲の使い方も好き。
どこからどう見てもバッドエンドに
きちんとボーカル曲使って
悲壮的にしてエンドロール流したり。
関係ないけど、全部読み終わった上で、
アイルのデザイン秀逸だなって思った。
髪には妹分のマキノの色のリボンと、
そして首と腕には楠葉の髪色のリボン。
そういう意味があったのかなって。
君と目覚める幾つかの方法 感想 総評
シナリオ、各キャラクターを丁寧に描き切った良作。
ジャンルがサスペンス入ってるので、
ちょっとだけ怖い描写もあったり、バッドエンドもあったりするのだけど、
シナリオに力入れてて、謎もあって、良くも悪くも王道、そんな作品。
そういうのが好きならオススメ!
以上、君と目覚める幾つかの方法の感想でした!
挿入画像 FANZA GAMES より引用
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