★★★★☆

月影のシミュラクル -解放の羽- 感想 レビュー【萌えゲーアワード2017 話題賞 受賞作品】

月影のシミュラクル -解放の羽-
――蝶は巣に捕らわれながらも、大空を目指す。

 

「月影のシミュラクル −解放の羽−」の感想です。

 

製品概要

タイトル:月影のシミュラクル -解放の羽-
ブランド:あっぷりけ
原画:オダワラハコネ
シナリオ:桐月
ジャンル:約束を果たす純愛ADV
発売日:2017年1月27日

 

普段はあまり伝奇ものとか読まないんだけど、
この作品には惹かれるところがありまして。
さて、どうでしょうか。

 

あらすじ

+ クリック or タップで展開

――その館には、生きた人形が棲んでいる。

からくり師の一族である、如月家。
その分家である主人公――卯月誠一は、夏休みに合わせ故郷の街へをする事になった。

この一族には、ひとつの秘密がある。
『如月の生き人形』と言われる、一族の開祖が使役していた、少女の人形<ヒトガタ>

涙を流し、笑い、そして主人が亡くなる時に眠るように動きを止めたという。
そして誠一が帰郷する理由も、この『生き人形』と、それにまつわる『儀式』のためだった。

久しぶりに帰ってきた故郷で出会うのは、幼馴染の少女達と妖<あやかし>の世界

辿り着く先は、果たして人の世か、それとも……。

公式サイトより引用


月影のシミュラクル-解放の羽- オープニングムービー


ネタバレ無し感想

※あらすじや体験版などで公開されている範囲はネタバレでないという認識です※

 

伝奇もの。
伯父が住む、生き人形が棲むという館へ、とある事情で主人公が赴く。
目的は過去の事件が元で大火傷を負い、
体が弱まる伯父に代わり、生き人形とのある儀式に参加すること。
だが、ただの人形であるはずの彼女があまりに人間的過ぎて…?
というお話。

 

まず、BGMがちゃんと仕事してる。
ここを満たせない作品って結構多いので、凄く評価できる部分。
物語も、順を追って伏線回収していく感じが良い。
ただ、微妙にグロい表現(出血・切断)があるので、苦手な方は注意。

 

ENDが結構あるのだけど、フローチャートのお陰で回収は楽。

 

こんな方におすすめ

  • 伝奇ものの作品が好き。
  • サクッと読めるけど、内容も濃い作品探してる。
  • 音楽の良いゲームを探している。

以下、ネタバレ有り。

 

ネタバレ有り感想

+ クリック or タップで展開

今作では攻略順が完全にコントロールされている。
初回BAD美優一葉アフターの順になる。
途中、いくつかBADやノーマルがあるけど、どれも無駄な数増やしでは無い。
以下、アンロック順のキャラ別。 

 

・初回BAD
もうね、何も救いがないルート。
謎は何も判明しない、伯父は刺殺される、サエさんは自殺する、
一葉誠一と生きて帰るけど心に深い傷を負う、は館爆破でクロコゲに。
その後、館爆破から生き残っていた誠一の住む町に現れてEND。

 

この時点では誠一と紅の過去の邂逅の話紅の行動原理など何も判明していないので、
何とも救いのない不気味な印象を受けるルート。
なお、このENDでOPが再生される流れはとても良き。

 

野上 美優(CV:桜乃ひよ)

野上 美優(CV:桜乃ひよ)

まぁ、初回BAD後の事件の後のルートなので、美優の明るい感じは助かった。

 

とても可愛い子なんだけど、関係を掘り下げる時間も関係が深まる過程も描く時間は無く。
メインのようで、サブな子。
事件をダシに、傷付いた心を舐め合う的にイチャコラした感はどうしても拭えない。

 

で、あっさり不幸になって終了。
選択肢で美優と付き合っても付き合わなくてもに殺される誠一くん、やばない…?

 

水無月 一葉(CV:桃山いおん)

水無月 一葉(CV:桃山いおん)

ちびっこメイドちゃん。
とある理由でカードゲームが好き。

 

突然誠一に頼み事をしてきて、Hをした上で内容を聞くか、
全て忘れて無かったことにするかの2択を迫るサイコパス。

 

過去の如月の儀式直後に起きた火事が原因で両親を亡くしており、
実は現在雇われている如月家が黒なのじゃないかと怪しんでいる。
その真相を解明しようとするお話。
ただし、のことは信頼している様子。

 

ENDは2通りあるのだけど、正直、展開が意味分からない。
まぁ、ノーマルとBADか、どっちもBADかは感じ方による。

 

一葉死亡ENDでは最後にが自らに問いかけ、自らの境遇に苦しむ描写が入る。
この先の紅に対するプレイヤーの印象操作的な表現なのかも。

 

如月 零(CV:春乃いろは)

如月 零(CV:春乃いろは)

ここら辺から今までの伏線がばりばり回収され始めていく。
素直に気持ちいい。

 

零はENDが3個あるんだけど、以下が個人的に好きなEND。
ここでは最初のBADと同じく分岐のタイミング上、
伯父は殺されているし、サエさんも自殺ということになる。
一方、一葉は街に避難し、安全をゲット。
が、一葉を街に送り届け、戻る途中にが初回BADに引き続き館爆破アゲイン。

 

もね、絶対悪じゃないんだよね。
自らに向けられた感情を鏡のように相手に返してしまうだけで。
そのカラクリだけで、今までの全てのの行動がストンと腑に落ちる。
燃える館でが逃げないと思えば、も当然同じ感情になって逃げることはできない。
誠一を助けたいと願えば、もそのように行動する、など。

 

最後は対峙しているに、意識を失ったところを燃える館から弾き出されて助かる。
その後、一葉と実家で生存END。
鎮火後の館からは、一人の焼死体と、その焼死体に抱かれるような形で木の燃えカスが。

 

その後、初回BADの流れと同じで、
誠一が地元に戻ってから近所と見られるバス停でバスから髪の長い、
と似ているような女性が降りてくる描写があるけど、もちろん零でも紅でもない。

 

如月 紅(CV:春乃いろは)

如月 紅(CV:春乃いろは)

前半は完全に悪役だけど、終わってみればこの作品のメインヒロイン。
途中まではのトゥルーだと思ってたけど、これは紛れもなく紅の為のお話。

 

とは神が、怪物が用意した人の真似をするだけの木偶人形。
神が人を理解しようと、を通じて人の想いを映し出そうとした。
中身の無い、外側だけの存在。
殺意を向ければ殺意で返し、興味を向ければ興味で返す。

 

そんな誠一は実は過去に出会っていた。
このルートでと行為に及んだ(襲われた)背景には過去の約束が絡んでいる。
誠一から精を吸い、一時的に木彫り人形ではなく、
人としての身体に変貌していくとの時間を過ごし、
誠一は神と人との関係を今一度見直そうと決意する。

 

そして、一見正解っぽい、如月家と向き合おうというルートに入ると…
紅、死すべし、壊れるべしの人間に襲われ。

 

最後にの命の欠片を受け取った誠一は、狂う。
悲しいね。
の蜘蛛神の力を受け継いだ誠一は、
敵対する人間を切り裂くスパ〇ダーマンとなるのであった。

 

ここまで来て闇墜ちENDいっすね!
(いや最後、割りとマジで結構いい)

 

で、如月家と向き合わずに逃げると、二人が消えた後、
二人は蜘蛛神に見初められた、種族の垣根を超えた悲恋の話の象徴として夏祭りで祭られる様になる。
犠牲は出ず、争いも終わるので、これもある意味良いENDではあると思う。

 

最終的に、如月家と向き合うから新ルートが派生して、
誠一が良い事思い付いた!ってなって、蜘蛛神と戦って、決着後にが「」になれる。
メインヒロイン面しないで!って批判出るのは今までのルート見てると分かるんだけどね。

 

・紅アフター

 

これがあったの嬉しかった。
一応が攫われるなんて事件も起きるけど、
館や蜘蛛神との出来事に比べたら凄く平和で温かい世界。

 

これから人として生きていくの希望に満ちた終わり。
個人的には凄く良い〆だと思う。

総評

プレイ時間:約11時間オススメ度:★★★★☆

とても良い伝奇もの。
ただ、やはり一部キャラルートの不遇っぷりは凄い。
いっそのこと美優も一葉もサブにして、
零と紅だけにしてしまっても良かったかもね。

次が気になる展開の作りは凄く良かった。
ある意味1本道になってしまうけど、今作ではその作りが活かされていた。

 

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挿入画像 FANZA GAMES より引用

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