月影のシミュラクル -解放の羽- 感想 レビュー【萌えゲーアワード2017 話題賞 受賞作品】

月影のシミュラクル -解放の羽-★★★★☆
スポンサーリンク

――蝶は巣に捕らわれながらも、大空を目指す。

と、いうわけで、「月影のシミュラクル −解放の羽−【萌えゲーアワード2017 話題賞 受賞】」の感想です。
普段はあまり伝奇ものとか読まないんだけど、この作品には惹かれるところがありまして。
さて、どうでしょうか。

あらすじ

――その館には、生きた人形が棲んでいる。

からくり師の一族である、如月家。
その分家である主人公――卯月誠一は、夏休みに合わせ故郷の街へをする事になった。

この一族には、ひとつの秘密がある。
『如月の生き人形』と言われる、一族の開祖が使役していた、少女の人形<ヒトガタ>

涙を流し、笑い、そして主人が亡くなる時に眠るように動きを止めたという。
そして誠一が帰郷する理由も、この『生き人形』と、それにまつわる『儀式』のためだった。

久しぶりに帰ってきた故郷で出会うのは、幼馴染の少女達と妖<あやかし>の世界

辿り着く先は、果たして人の世か、それとも……。

公式サイトより引用

オープニングムービー

月影のシミュラクル-解放の羽- オープニングムービー

ネタバレ無し感想

伝奇もの。
伯父が住む、生き人形が棲むという館へ、とある事情で主人公が赴く。
目的は、過去の事件が元で大火傷を負い、体が弱まる伯父に代わり、生き人形とのある儀式に参加すること。
だが、ただの人形であるはずの彼女があまりに人間的過ぎて…?

まず、BGMがちゃんと仕事してる。
ここを満たせない作品って結構多いので、凄く評価できる部分。
物語も、順を追って伏線回収していく感じが良い。
ただ、微妙にグロい表現(出血・切断)があるので、苦手な方は注意。

ENDが結構あるのだけど、フローチャートのお陰で回収は楽。

実はこの作品が気になったキッカケは、シャナ
灼眼のシャナって。
シャナ好きだったんだけど、何かパケの零が似てるなー…って。
それだけだったのに、すんごい面白かった!

お手軽な伝奇ものをお探しの方、是非ともプレイしてください。

以下、ネタバレ有り。

ネタバレ有り感想

今作では攻略順が完全にコントロールされている。
初回BAD美優一葉アフターの順になる。
途中、いくつかBADやノーマルがあるけど、どれも無駄な数増やしでは無い。
以下、アンロック順のキャラ別。 

初回BAD

もうね、何も救いがないルート。
謎は何も判明しない、伯父は刺殺される、サエさんは自殺する、一葉は誠一と生きて帰るけど心に深い傷を負う、零は館爆破でクロコゲに。
その後、館爆破から生き残っていたが誠一の住む町に現れてEND。

この時点では誠一と紅の過去の邂逅の話紅の行動原理など何も判明していないので、何とも救いのない不気味な印象を受けるルート。
なお、このENDでOPが再生される。
この流れはとても良き。

美優

まぁ、初回BAD後の事件の後のルートなので、美優の明るい感じは助かった。
がしかし、BADENDで起きた出来事の一部を今度は屋敷からではなく、街から経験することになる。
当事者ではなく、部外者として。

とても可愛い子なんだけど、フルプじゃない故か、関係を掘り下げる時間も関係が深まる過程も描く時間は無く。
メインのようで、サブな子。
事件をダシに、傷付いた心を舐め合う的にイチャコラした感はどうしても拭えない。

で、あっさり不幸になって終了。
選択肢で美優と付き合っても付き合わなくても紅に殺される誠一くん、やばない…?
どの道、BADENDヒロインじゃねーか!

一葉

ちびっこメイドちゃん。
とある理由でカードゲームが好き。

突然誠一に頼み事をしてきて、Hをした上で内容を聞くか、全て忘れて無かったことにするかの2択を迫るサイコパス。

過去の如月の儀式直後に起きた火事が原因で両親を亡くしており、実は現在雇われている如月家が黒なのじゃないかと怪しんでいる。
その真相を解明しようとするお話。
ただし、零のことは信頼している様子。

このルートで紅が初めて「怪物」と言われる。
ENDは2通りあるのだけど、正直、展開が意味分からない。
まぁ、ノーマルとBADか、どっちもBADかは感じ方による。

一葉死亡ENDでは、最後に紅が自らに問いかけ、自らの境遇に苦しむ描写が入る。
この先の紅に対するプレイヤーの印象操作的な表現なのかも。
まぁどのみちBADENDだけどな!
あ、この子もBADENDヒロインじゃねーか!

でも、ルートのアンロックは完全にコントロールされてるので、徐々に謎が分かってくる感じはとても良い。

ここら辺から今までの伏線がばりばり回収され始めていく。
素直に気持ちいい。

零はENDが3個あるんだけど、以下が個人的に好きな零END。
ここでは最初のBADと同じく、分岐のタイミング上、伯父は殺されているし、サエさんも自殺ということになる。
一方、一葉は街に避難し、安全をゲット。
が、一葉を街に送り届け、戻る途中に零が初回BADに引き続き館爆破アゲイン。

紅もね、絶対悪じゃないんだよね。
自らに向けられた感情を鏡のように相手に返してしまうだけで。
そのカラクリだけで、今までの全ての紅の行動がストンと腑に落ちる。
燃える館で零が逃げないと思えば、紅も当然同じ感情になって逃げることはできない。
零が誠一を助けたいと願えば、紅もそのように行動する。

最後は対峙している零と紅に、意識を失ったところを燃える館から弾き出されて助かる。
その後、一葉と実家で生存END。
鎮火後の館からは、一人の焼死体と、その焼死体に抱かれるような形で木の燃えカスが。

その後、初回BADの流れと同じで、誠一が地元に戻ってから近所と見られるバス停でバスから髪の長い、零と似ているような女性が降りてくる描写があるけど、もちろん零でも紅でもない。

前半は完全に悪役だけど、終わってみればこの作品のメインヒロイン。
途中までは零のトゥルーだと思ってたけど、これは紛れもなく紅の為のお話。

零ルートから分岐するのだけど、分岐点は伯父が殺される前なので、残酷な事件は起きない。

紅とは神が、怪物が用意した人の真似をするだけの木偶人形。
神が人を理解しようと、紅を通じて人の想いを映し出そうとした。
中身の無い、外側だけの存在。
殺意を向ければ殺意で返し、興味を向ければ興味で返す。

そんな紅と誠一は実は過去に出会っていた。
このルートで紅と行為に及んだ(襲われた)背景には過去の約束が絡んでいる。
誠一から精を吸い、一時的に木彫り人形ではなく、人としての身体に変貌していく紅との時間を過ごし、誠一は神と人との関係を今一度見直そうと決意する。

そして、一見正解っぽい、如月家と向き合おうというルートに入ると初回はこうなる。
紅、死すべし、壊れるべしの人間に襲われ。

最後に紅の命の欠片を受け取った誠一は、狂う。
悲しいね。
紅の蜘蛛神の力を受け継いだ誠一は、敵対する人間を切り裂くスパ〇ダーマンとなるのであった。

ここまで来て闇墜ちENDいっすね!
(いや最後、割りとマジで結構いい)

で、如月家と向き合わずに逃げると、二人が消えた後、二人は蜘蛛神に見初められた、種族の垣根を超えた悲恋の話の象徴として、夏祭りで祭られる様になる。
犠牲は出ず、争いも終わるので、これもある意味良いENDではあると思う。

最終的に、如月家と向き合うから新ルートが派生して、誠一が良い事思い付いた!ってなって、蜘蛛神と戦って、決着後に紅が「」になれる。
紅メインヒロイン面しないで!って批判出るのは今までのルート見てると分かるんだけどね。

紅アフター

これがあったの嬉しかった。
一応紅が攫われるなんて事件も起きるけど、館や蜘蛛神との出来事に比べたら凄く平和で温かい世界。

これから人として生きていく紅の希望に満ちた終わり。
個人的には凄く良い〆だと思う。

全て読了すると、オマケのCGも見れます。
是非、そこまで読み進めてほしい一作!

総評

プレイ時間:約11時間オススメ度:★★★★☆

とても良い伝奇物です。

ただ、やはり一部キャラルートの不遇っぷりは凄い。
美優とか一体何のためのルートだったんだと…
いっそのこと、美優も一葉もサブにして、零と紅だけにしてしまっても良かったかもね。

次が気になる展開の作りは凄く良かった。
ある意味1本道になってしまうけど、今作ではその作りが活かされていた。

そこそこ短時間で読めるから、休日に一気読みして良きシナリオゲーライフを!
と、オススメできる一作です。

詳細・購入

ダウンロード版
パッケージ版


人気記事(累計)

白刃きらめく恋しらべ 感想 レビュー
喫茶ステラと死神の蝶 体験版 感想
喫茶ステラと死神の蝶 感想 レビュー
あざスミ 〜あざとくてスミに置けない彼女〜 感想 レビュー【あざらしそふと×SMEEコラボ企画】
どっちのiが好きですか? 感想 レビュー【どっちのiも大好きです】
アイコトバ 感想 レビュー【あざらしそふと+1】
MUSICUS! 体験版 感想【絶望のからあげ】
【DMM GAMES 遊び放題】実際どうなの?全作品の中から25作品ピックアップしてみたよ!
【2019年発売作品】2019年度のおすすめエロゲランキング!
きまぐれテンプテーション 感想 レビュー【お手軽伝奇もの】

挿入画像 DMM GAMES.R18 より引用

コメント